ウール素材のジャケットをクリーニングに出したいけれど、縮みや仕上がりが心配…と思っていませんか?
心配はいりません。むしろ年に一度はウエットクリーニング(水洗い)に出しましょう!!
「え? ウールを水で洗って大丈夫なの?」と思いますよね。
- クリーニング技術の進化で縮みや型崩れなどのリスクが減少
- ジャケットやスーツの仕上がりに注力しているクリーニング店が増えている
このような理由から、洗えないイメージがあるウール素材でも安心してウエットクリーニングが利用できる環境になりました。
この記事では、ウエットクリーニングをおすすめする理由や疑問・不安点を解消して、ウエットクリーニングをもっと身近に感じられる内容を掲載しています。
お気に入りのジャケットを安心して預けられるクリーニング店もご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
汚れの種類と各クリーニング方式の得意分野
汚れとクリーニング方式にはそれぞれ種類があるので、簡単に説明します。
汚れには水溶性と油溶性、水溶性と油溶性が混ざりあったものがある
- 水溶性:汗汚れ、コーヒー、酒、醤油、ソース、血液など
- 油溶性:皮脂汚れ、食用油、バター、一部の整髪料、ファンデーションなど
- 水溶性と油溶性:ケチャップ、カレー、焼肉のタレ、筆記具のインクなど
ドライクリーニングは水を使わずに油溶性汚れを落とす
ドライクリーニングは、水ではなく石油系などの有機溶剤を使用して油溶性の皮脂汚れなどを落とす方法です。
有機溶剤は繊維に吸収されず、溶剤が付着している油分だけを溶かし落とします。
メリットは型崩れや縮みのリスクが起こりにくいため、ウール系にはドライクリーニングが重宝されてきました。
デメリットはウールが本来持っている油分も落としてしまうことや水溶性の汗汚れを落とすことができないことです。
ウエットクリーニングは水溶性の汗汚れを落とす
ウエットクリーニングは、いわゆる水と洗剤で洗って水溶性の汗汚れなどを落とす方法です。
汗を吸ったジャケットをさっぱり仕上げるには、ウエットクリーニングが適しています。
ウエットクリーニングのみだと油溶性の皮脂汚れはどうする
ウエットクリーニングで汗汚れが落ちたとしても、油溶性の皮脂汚れは残ったままになってしまうのでは?と思われるかもしれませんが、クリーニング店の努力と技術向上で対処できるようになっています。
- 前処理で皮脂汚れを落としてからウエットクリーニングをする
- ドライクリーニングで皮脂汚れを落としたあと、ウエットクリーニングで汗汚れを落とす「二度洗い」
- 水溶性と油溶性の汚れを同時に洗浄できる洗剤を使用したウエットクリーニング
クリーニング店によってアプローチはさまざまですが、皮脂汚れにもしっかり対応できているお店があります。
ウエットクリーニングはおすすめ。でも頻繁の利用はNG
とはいえ、クリーニング技術が進歩しても少なからず生地への負担はありますので頻繁の利用は避けるべきです。
ウール素材のクリーニングは「お手入れの総仕上げ」というつもりで、年一回にすることをおすすめします。
【アンケート実施】ウエットクリーニング未経験者は90%
男性150名を対象に、以下の内容でアンケートを実施しました。
3つの質問で、内容は以下の通りです。
【質問1】
ウール素材のジャケットまたはスーツ*をウエットクリーニングに出したことがありますか?
【質問2】
出したことがある人は、仕上がりの感想を教えてください。
【質問3】
出したことがない人は、出さない理由を教えてください。(選択式の複数回答)
質問1は「スーツ」も含んだ結果となっております、ご了承ください。
結果を順番に紹介します。
ウール素材をウエットクリーニングに出したことがある?ない?
この質問に対し、ウエットクリーニング経験者は10%でした。
まだウエットクリーニングの認知度が低いと感じる結果となりました。
出したことがある人の満足度
ウエットクリーニング体験者のおよそ64%超は「おおむね満足」以上の回答で、高い評価となりました。
出したことがない人の理由
ウエットクリーニング未経験者のうち、「型崩れや縮み・生地の傷み」が心配でウエットクリーニングに出さない人は、全体の約70%という結果でした。
アンケート結果から結論
今回のアンケート結果をまとめてみますと、以下のような印象を受けました。
- ウエットクリーニングを利用しない人の大半は型崩れや縮みを心配している
- 実際に利用した人からは型崩れや縮みについての指摘はなく、仕上がりの満足度は高かった
- 価格がネックという人の割合は低い
結論は「ウエットクリーニングのデメリットは、ほぼ感じない」です。
アンケート結果の詳細は別記事があります。
ジャケット好きな人ほどクリーニングに出さない?
そもそもジャケットはクリーニングに出さない、と決めている人もいます。
それはジャケット好きな人ほど「立体感がなくなる(特に衿廻り)」ことを心配しているのではないかと思います。
しかも自分で直そうにも、仕上げるのが難しい箇所なのでなおさらです。
そうならないためにも、実績のあるクリーニング店を選びましょう。
最近はクリーニングはもちろん、プレス(アイロンワーク)へのこだわりが評価され、有名百貨店やセレクトショップと提携しているお店もあります。
そういったお店に一度出してみてはいかがでしょうか。
日常のお手入れでも汚れはある程度防げる
日常のお手入れをしましょう。
- ブラッシングでホコリを除去する
- スチーマーでシワを伸ばす、匂いを取る
- 固く絞った濡れタオルで軽く拭く
- 肩に厚みのあるハンガーにかけて型崩れを防止する
これらをするだけでもキレイを長持ちさせることができます。
技術が進歩したとはいえ、少なからず生地への負担はありますので頻繁の利用は避けるべきです。
クリーニングは「お手入れの総仕上げ」というつもりで、年一回を目安にするのがよいでしょう。
宅配クリーニング利用の流れ
宅配クリーニングの利用の流れを説明します。
基本的にはどのお店も大きな差はありませんが、一部異なる点もありますので記載していきます。
WEBで申し込みをする
会員登録が必要なお店もありますので、最初に入力します。
自分の品物が取り扱いできないものに該当していないか確認しましょう。
返送する時期や、そのまま保管サービスを利用できたり、この段階で支払い方法の選択が必要なお店もあります。
品物を送る
「送り方」はお店によって対応に差がでます。
- お店が梱包キットと集荷にくる配送業者を用意してくれる。
- お店が集荷にくる配送業者を用意してくれるが、梱包品(箱や袋など)は自分で用意する。
- 自分が梱包品の用意と発送をおこなう。
とさまざまなので、詳細は各店のホームページで確認してみましょう。
料金の見積り連絡がくる
追加料金の発生などで、想定より高くなってしまう際はここでキャンセルすることも可能です。
その場合、送料が自己負担になるのがほとんどなので注意してください。
届いた見積りの返事を忘れて放置してしまうと、了承とみなされて作業が進んでしまう可能性があります。
トラブルにならないよう連絡がきたら、すぐに返答をするようにしましょう。
また、お店によっては、基本料金内で仕上がる場合は連絡なく作業が進むこともあります。
見積りの了承をしたら、ここで支払い(クレジットカードや銀行振込)手続きするお店が多いです。
クリーニング開始~完了
進捗状況をメールで通知してくれるお店もあります。
返送が「すぐ」がなのか「そう少し先」なのか希望できる店もあるので、通知内容をよく確認してください。
返送・受け取り
オプションでハンガーに吊るされた状態で返送してくれるお店もあります。畳まれた状態での返送に抵抗がある方は利用してもいいでしょう。
品物を受け取る際に、配達ドライバーさんに代金引き換え(現金やクレジットカード)で支払うお店もあります。
受け取ったあとは、希望通りの仕上がりになっているかチェックしましょう。
おすすめのウエットクリーニング店|宅配4選
クリーニングとプレス仕上げにこだわっているウエットクリーニング店をご紹介します。
宅配クリーニング店の4店を厳選しました。
配送が可能なお店
ナチュラルクリーン(千葉県)
- ウォータークリーニングの代表店
- 百貨店やセレクトショップなど提携店多数
ワードローブトリートメント(福井県)
- 一点ごとに洗う「一客洗い」
- 某セレクトショップや某サルトも絶賛する仕上がり
プラスキューブ(徳島県)
- 店主は元アパレルデザイナー
- 生地にやさしいクリーニング(バイオ洗剤、個別洗い、静止乾燥)
ハッピーケアメンテ(京都府)
- 水溶性と油溶性の汚れを同時に落とす洗剤を使用
- 百貨店やセレクトショップなど提携多数
信頼できるクリーニング店でウエットクリーニングを利用しよう
いままではウール素材のクリーニングは当たり前のようにドライ方式が利用されていましたが、ドライ方式では水溶性の汗汚れは落とせません。
世界的に気温の上昇が深刻化し、さらに湿度が高い日本では汗をかく日が増えました。
汗を含んだジャケットは不快なうえ、放置すると変色のおそれがありますので、ウエットクリーニングすることでお気に入りを長持ちさせることにもつながります。
いっぽう、ウール素材をウェット方式で洗うには型崩れや縮みのリスクが伴います。
しかし、最近は徹底した型崩れ対策やプレス技術でウエット方式のデメリットを解消しているお店が増えてきました。
近所に信頼できるお店があれば理想ですが、そういったお店が近くにない場合は、今回紹介した宅配クリーニング店から選んでみてはいかがでしょうか。
ウエットクリーニングを活用して、ジャケットライフを楽しみましょう。