ジャケットに最適なクリーニングはウエット一択です【注意点3つ】

当ページのリンクには広告が含まれています。

「ウールのジャケットは水洗いできないからドライクリーニングでしょ」と思っている人、ちょっとお待ちください。
クリーニング店に出すなら、もうひとつ選択肢があるのをご存知ですか。

それはウエットクリーニングです。

ウエットクリーニングは、日本産業規格(=JIS)の『繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法』によると、

特殊な技術を用いた業者による繊維製品の水洗い処理」

と記されています。

ウエットクリーニングは家庭の洗濯とは違い、プロにしかできない手法なのです。

この記事ではドライクリーニングとウエットクリーニングの特徴を整理しつつ、なぜウールのジャケットにはウエットクリーニングが適しているかを解説します。

目次

ドライクリーニングとウエットクリーニング

先述した日本産業規格ではドライクリーニングについてこのように説明しています。

各種の溶剤(水を除く。)及び洗剤を用いた業者による繊維製品のクリーニング処理」

各種の溶剤とは油の一種である有機溶剤のことで、これを使用し汚れを落とします。
水を使わないので、型崩れや収縮(縮み)、風合いの変化が少なく仕上がるのが特徴です。

ドライクリーニングは家庭の洗濯ではできない、プロのクリーニング方法です。

ウエットクリーニングは水と洗剤で汚れを落とします。
水を使って洗うので、型崩れや縮みが発生するリスクを防ぐため、洗う前に採寸やしつけなどの対策を施します。

ウエットクリーニングは家庭で洗濯するには手間がかかるので、プロに任せた方がよいクリーニングです。

ウールジャケットに最適なのはウエットクリーニング

ではドライクリーニングとウエットクリーニング、どちらを利用すればよいでしょうか。
せっかくクリーニングに出すなら、しっかり汚れが落ちてくれる方を選びたいですよね。

落としたい汚れは汗と皮脂(シミは除く)

衣類を着用して付く汚れの代表は「汗」と「皮脂」です。
汗と皮脂、どちらも残したくない汚れです。

ところがドライとウエットは、汚れを落とす得意分野が異なります。

Q.ウエットクリーニングの
得意分野は?
A.水溶性汚れ
Q.ドライクリーニングの
得意分野は?
A.油溶性汚れ
  • コーヒー
  • 醤油
  • 血液 など
  • 皮脂
  • 食用油
  • バター
  • ファンデーション など

まさに水と油の相性と同じです。

汗と皮脂の両方を落とす洗い方

汗と皮脂の両方を落としてくれるクリーニング方法があるのなら、それを利用するのが最善です。

ひとつのクリーニングで汗汚れと皮脂汚れを同時に落とす方法はいくつかあります。
それぞれメリットとデメリットがあるのでご覧ください。

ドライクリーニングに汗抜きのオプションを追加

ひとつはドライクリーニング溶剤の中に、汗汚れを落とす洗剤を添加して洗う方法です。

メリット:オプション料金は安め
デメリット:水洗いほどさっぱり感がない

皮脂汚れを落としたあとにウエットクリーニング

もうひとつは前処理で皮脂汚れを落としてからウエットクリーニングをする方法です。

メリット:水洗いなのでさっぱり感がある
デメリット:高めの料金、日数が長い

ドライ⇒ウエットの順で両方のクリーニングを実施するお店もあります。

おすすめはウエットクリーニング。
さっぱり感に加えてゴワつきや匂いもなくなり、生地本来の風合いに仕上がるからです。

ウエットクリーニングは体験者からの評価が高いです。

ウエットクリーニングを利用する際に確認しておくこと

ウエットクリーニングをおすすめしていますが、注意すべき点が2つあります。

【注意点1】日数が長い

一言でいうと、すごく手間がかかるからです。

水洗いという行為に対してどうしても発生する型崩れを抑えるために、洗う前から洗った後まで対策をする必要があります。
その後のプレスによる成形でシルエットを回復させるのもドライクリーニングより時間が掛かります。

お店や混雑状況にもよりますが早くても2週間前後、長いところでは1か月半かかる場合もあります

【注意点2】料金が高め

手間がかかることも一因ですが、技術の向上のための開発や設備にコストがかかる分、価格に影響されてしまいます。

開発コスト
設備コスト
  • 水の開発
  • 洗剤の開発
  • 人材の開発 など
  • 洗浄設備
  • 乾燥設備
  • 仕上げ設備 など

【注意点3】技術力の高いお店を選ぶ

ジャケットにおいては重要項目です。

ウエットクリーニングが利用できるお店は数多くありますが、仕上がりにバラツキがあります。
プレス(アイロン)仕上げの優劣は、ジャケット好きなら重視すべきポイント

プレスにこだわるお店ならホームページでもアピールしているはずなので、確認して納得できたお店を選びましょう。

この3つの注意点を理解したうえでウエットクリーニングを利用してください。

【まとめ】注意点に納得できればウエットクリーニングが最適

ウールは本来デリケートな素材なので、ドライクリーニングを利用するのが常識とされてきました。

いっぽうウエットクリーニングは、技術の向上で型崩れや縮みのリスクが減少しており、安心して利用できる環境になってきています。

汗を落とし、さっぱりとした着心地が得られるのはウエットクリーニングならではのメリットです。

ですが、ジャケットを家庭で洗濯するのはおすすめできません。
洗剤も洗い方も違いますし、水洗いで受けたダメージを復元する技術もないので、よほど自信がある人以外はやめておきましょう。

ウエットクリーニングは繊維に影響を与えないよう水洗いし、それでも水の影響を受けて変形してしまった状態をプレス仕上げなどによって回復させる「特殊な技術」があるお店(プロ)にお任せするのがいちばんです。

その手間と高度な技術ゆえに、日数と料金に反映してしまいますが、それさえ許容できるならウエットクリーニングは最適な選択ではないでしょうか。

別の記事でジャケットにおすすめのクリーニング店を紹介していますので、参考にしてください。

目次