きょうも一日、お疲れさまでした。
じつは行動を共にしたジャケットも同じくらいクタクタなんです。
これからも元気でいてもらうために、日頃のお手入れでコンディションをキープしておきませんか。
着用後の儀式としてルーティン化してしまえば、あまり面倒とは感じないはずです。
お手入れに必要なアイテムはこの5点です。
- ハンガー
- 洋服ブラシ
- スチーマー
- 霧吹き
- タオル(使い込んで毛羽立ちの少ないもの)
はい、だいたい使い方の想像がつくものばかりでサプライズはありません。
この記事では、お手入れアイテムそれぞれの目的をポイント別に説明します。
「べつに説明なんていらない」と思う人も、なんとなく流し読みしていただけたらと思います。
基本をいま一度確認しておきましょう。
【ハンガー】ジャケットの型崩れを防ぐ必須アイテム
ハンガーを使用する目的は「型崩れを防止するため」に尽きます。
ですが、ジャケットに適したハンガーを選ばないとデメリットに変わる可能性があるので注意が必要です。
- 肩に厚みがある
- 人体のラインを意識した立体的な形状
- ジャケットの肩幅より2~3㎝短い大きさを選ぶ
肩に厚みがある
肩部分に3~5㎝の厚みがあるものがいいでしょう。
肩に厚みがあるとジャケットの重さを面で支えやすくなり、重さが分散できるからです。
細過ぎる針金ハンガーは絶対に使用しないでください。
人体のラインを意識した立体的な形状
ジャケットは人体のラインと同様、首から肩にかけて丸みをおびた形状をしています。
ハンガーも同じような形状を選べば型崩れやシワの発生がおこりにくくなります。
ジャケットの肩幅より2~3㎝短い大きさを選ぶ
ハンガーのサイズを選ぶ目安は、ジャケットの後ろ身頃から肩先の直線距離を測り、その距離から2〜3㎝引いた数値で選ぶと間違いが少ないでしょう。
ハンガーはジャケットの内側に入れて使用するので、数値と同じ幅のハンガーでは大きい可能性があります。
【洋服ブラシ】ブラッシングでホコリを掻き出す
帰宅後、ジャケットを脱いだらおこなうのがブラッシングです。
ブラッシングの目的は、生地に入り込んだホコリや汚れなどを掻き出すことと、毛玉の発生や虫食いを予防することです。
ブラッシングはジャケットを長持ちさせる作業の根幹なので、しっかり身につけましょう。
- 順目(上から下)と逆目(下から上)の2方向にかける
- 衿部の裏側は立ててブラッシング
- 生地によって毛の材質を選ぶ
順目(上から下)と逆目(下から上)の2方向にかける
決まった順番はありませんが、衿裏・肩→身頃前後→袖といった流れが自然でいいと思います。
その際、順目と逆目の両方向にブラッシングしてください。
逆目でホコリを掻き出して、順目で毛並みを整えるイメージです。
衿部の裏側は立ててブラッシング
衿裏はホコリがたまりやすい場所なので忘れずに。衿を立ててからブラッシングしましょう。
生地によって毛の材質を選ぶ
ブラシの毛の材質は豚毛と馬毛があります。
一般的なウールなら豚毛で問題ありませんが、極細原毛を使用した繊細な生地には柔らかい馬毛にした方が無難です。
所有するジャケットの素材を確認して判断してください。
大きさや柄のあるなしは、好みに合うものを選べばよいでしょう。
【スチーマー】蒸気でシワを取る効果あり
スチーマーはアイロンと違い、蒸気を出すことに特化した商品です。
きっちりプレスするならアイロンに分がありますが、ジャケットについたシワを伸ばすのが目的なら、コンパクトで使い勝手がいいスチーマーが重宝します。
- ブラッシングをしてから
- 乾いてから収納する
- 極細原毛の生地は伸びやすい
ブラッシングをしてから
汚れが残った状態でスチームをあてると、熱で汚れが定着して取れなくなることがあるので、ブラッシングしたあとに実施してください。
乾いてから収納する
スチーマー使用後は生地に多くの水分が残っています。
すぐクローゼットに収納するとカビが発生するおそれがあるので、乾燥が確認できてから収納しましょう。
極細原毛の生地は伸びやすい
極細原毛で甘く織られたような生地は伸びすぎて逆効果となる可能性があります。
そういった生地にはスチーマーは使用せず、固く絞った濡れタオルで拭きながらシワを伸ばすようにしてください。
【霧吹き、タオル】必要に応じて
霧吹きと固く絞った濡れタオルは素材や状況により使用する補助的なアイテムです。
濡れタオルは、素材によってはブラッシングやスチーマーに代わる作業となることがあります。
霧吹きを使用するケース
スチーマーを使う時間がないときは、霧吹きで代用することができます。
ジャケットを軽く湿らせる程度にスプレーして一晩おくだけでもある程度の効果があります。
固く絞った濡れタオルを使用するケース
すべてではありませんが、イタリア製に多い極細繊維は表面が繊細なので注意が必要です。
ブラッシングで不要なテカリを発生させてしまったり、スチームで伸びすぎてしまったりするおそれがあるからです。
この場合は固く絞った濡れタオルを使用し、全体を拭くことで代用します。
タオルは新品よりも使い込んでいる方が、繊維が生地に付着しにくいのでおすすです。
濡れタオルは、衿裏や袖裏に付きやすい皮脂汚れの除去にも効果があります。
長持ちさせるために普段から気をつけたいこと
続いて物理的に長持ちに繋がる使い方を2点あげます。
ポケットにモノをなるべく入れない
型崩れ防止に、できるだけポケットにモノを入れない方がいいのは誰もが理解できると思います。
とはいえ、このご時世には手放せないスマートフォンはどうしたらよいでしょうか。
スマートフォンは薄いけれど重さがあるので、ポケットに入れると生地が伸びてシルエットが崩れるおそれがあります。
カバンに入れるか手持ちすることを優先し、やむを得ずポケットに入れなくてはならないときは短時間にとどめておく方が無難でしょう。
リュックサックやショルダーは避ける
リュックサックやショルダーバッグの使用は両手が自由に使えるので、合理的な選択ではあります。
ですがジャケット、しかもウール素材に対しては非常に相性がよくないです。
ジャケットとショルダーの摩擦で生地が毛羽だって傷み、圧迫によりシルエットが崩れてしまうからです。
ジャケットのためには手持ちタイプのカバンにすることをおすすめします。
年に一度はウエットクリーニングを利用する
シーズンオフにはクリーニングの利用をおすすめします。
見た目がキレイでも汗や皮脂などの汚れが付いているからです。
放置すると黄ばみや虫食いのリスクが高くなるだけでなく、長持ちにも悪影響を与えてしまいます。
ウエットクリーニングで汗や皮脂汚れを落とし、生地本来の姿に復元させて、次のシーズンのために気持ちよく着れる準備をしておきましょう。
クリーニング後に保管サービスを利用すれば、クローゼットにも余裕ができて一石二鳥です。
別の記事でウエットクリーニングのおすすめ店を紹介しています。
長持ちするお手入れ方法のまとめ
お手入れのポイントを要約します。
- 日常のお手入れ
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サイズに合ったハンガーの使用
肩が厚く立体的な形状
汚れを搔き出すためにブラッシング
素材により固く絞ったタオルで拭く
シワを伸ばすためにスチーマー
素材により固く絞ったタオルで拭く
状況により霧吹きで軽く湿らす程 - 年1回のお手入れ
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ウエットクリーニング
信頼できるお店を選ぶ
日常のお手入れは、ジャケットと向き合うことでコンディションの確認もできるのでメリットは多いです。
お気に入りが長持ちするのでぜひとも習慣化しておきましょう。